え、何?こいつも?こいつもそういう感じですかー。

あれですかー。二人とも私を金づると結婚させたいんですかー。


『するかボケッ』


電気ケトルとカップ、それから茶葉をお盆に乗せてさっさと二階に上がる。

後ろのリビングで母がぎゃーぎゃー騒いでいるが、知るか。

んなことどうでもいい。本当、どうでもいい・・・。


ガッチャンと後ろ手でドアを閉め、お盆を机に置いてベッドに腰を掛ける。


そして、ギュッと膝を抱えて頭を埋める。


大丈夫。大丈夫。大丈夫。


何度も何度も自分にそういいつける。


「オーカ?」

不意に、耳に心地の良い声が届いた。


『イルちゃん・・』

そっか、イルちゃんには扉も壁も関係ないんだった。

どんなところもすり抜けてこれるんだったね。