だから、ついつい不機嫌な声が出てしまった。

『何、突然』

お前には関係ないだろ。てゆうか、今まで散々無視してた癖に何でいきなりそんな事聞いてくるわけー?


「部長のご子息が剣道をやっているらしくてな。お前程度なら話し相手にもなるだろう。今度会食があるからその時にでも『ハッ』・・おい?」

思わず笑いが出てしまった。

何?上司の息子がやってるから話し相手になれって?お前程度ならってどういう事?私ってば意味分からないんですけどー。


『そんな風に都合がいいから、浮気相手に遊ばれんだよバァカ』

蔑んだ目でそう言ってやれば、一瞬呆気に取られた後、直ぐに口を開いた。


「なっ!!誰に向かってそんな口を聞いてる!!!おい、聞いてるのか!?」


はいはーい、聞いてませんよー。聞くわけがありませんよー。誰がてめぇなんかの話聞くかよバカヤロー。

私には愛しい愛しいイルちゃんが待ってるんだもんねぇー。お前の話なんか聞きたくないもんねぇー。