「どうしてワタシが見えるのに、驚かない」
『・・へ』
え、何。何々そんな事?ビックリー。私超ビックリー。
『驚き要素がないのだよ』
食べ終わったらしいイルのお皿を片付けながらそう言った。
そう、驚く要素などどこにあっただろうか。
家に不法侵入したこと?
家に知らない人が居た事?
祖父の傍に珍妙な姿の人が居た事?
まぁ、普通に吃驚はしたけどね。吃驚しないわけがないけどね。けど、別にそれがどうと言うわけでもあるまい。まぁ、如いて言うなら死神が居たと言う事に吃驚だね。
『はぁい!お茶だよー』
「う、うむ。ありがとう」
動揺しているらしいイルを見て、少しだけ笑みが浮かぶ。

