「そうか、見えるんだな」


けれど、その人は私の事等スルーしてそのまま自己完結しているようだった。



何ですか。何なんですか。私の話など聞きたくないと。あぁ、そういうことなんですね。分かりました。ちょっと面貸せやオラッ。取り合えずこの鍛え抜かれた右ストレート一発で済ませてやんよ。


心の中で目の前の黒ローブをフルボッコにしていれば、その黒ローブがこちらを見た。


「お前、名は?」

『は?縄?』

「・・・なわ?」

あ、違うか。名前か。名前聞かれたんか。

『桜華。鈴音桜華』

「オーカ」

む。何か片仮名で言われたぞ。あれか、お前外人とかいう奴か。なら仕方ないな。妥協してやろう。

『貴方は?』


名前を答えたのだから、この黒ローブも答えてくれるだろう。