魔法のお菓子



「そういえばお菓子の本見てたみたいだけど、何か作るの?」



「まだ決めてないから本見て決めようと思ったの」



「そうだったんだ」



もしかして今が聞くチャンスかも



「鹿野くんはお菓子何が好き?」



「えっ、俺はマフィンが好き」



マフィンか…



早速調理室で作ろうっと!



「…誰かに作って渡すの?」



「えっ!」



どうしよう、そんなこと聴かれると思ってなかった…



「…うん、そうだよ」



まさか鹿野くんになんて言えないよっ!!



恥ずかしくて顔が熱くなってきた



「っ、もしかして好きな人?」



「えっ、あっ、その…」



どうしたらいいの?!



俯いて悩んでいたら、突然手を捕まれて図書室の奥に連れられた



「あのっ、鹿野くんどうしたの!?」



「…」



鹿野くんは無言で私に近づいてくる



私はそのたびに後ろに下がる