夏彼氏




ーーー陽奈の家の前ーーー


「じゃーね。美季。」
「うん。また新学期に。」




美季はテニス部のエースだ。
だから、夏休みも練習漬け。
遊ぶ余裕などないのだ。








「ただいまー…。」


両親は仕事で外出中。
妹の舞(マイ)はきっと友達の家だろう。


私は母親が帰ってくる5時までに支度を済ませておかなければいけない。




今は12時36分。
急がなくちゃいけない。



慌てて作ったオムライスは最悪の出来だった。


焦げまくっている。
やっとの思いで食べ終わり、準備にとりかかる。