「いいよそんな…悪いし」 「そんな遠慮しなくていーから! ほら、部屋紹介してくれるお礼っ」 遠慮、かぁ。 そうだ私、遠慮してばっかなんだった。 このままじゃ、今の「家族」みたいに 壁を作っちゃうかもしれない…。 ここは頼ったほうがいいのかも。 「ありがとう」 その言葉に微笑み返してくれた日向くんは、 私の手をひっぱり、校舎の外へ 歩き出した。