「うまいな。歌恋!」
「おいしぃ。うん。」

召使が次々と料理を運んでくる。

こんなに食べたら太るな…絶対。

「もうお腹いっぱいだよ。もういいかも。」
「不味いか?もしそうだったら言え?シェフを打ち首にするから。」

きつい冗談だな~って思ってると周りの空気が張り詰めた。
ん?これ冗談じゃない系?

「おいしいから大丈夫!!!」
「そうか。ならいい。」
「お前、ドレスは好きか?」
「ドレス?」
「そんな召使みたいな服より、ドレスの方が可愛く見えると思うぞ。」

ドレスねぇ~…。

「じゃぁ…お願いしてみようかな。」
「おし!じゃぁ今から作れ!」

「歌恋様失礼します。」

召使が制服の私を脱がそうとする。

「え?ちょっ!ルークッ後ででいいって!」

むしろ今じゃ嫌だ!
こんな人前で脱ぐなんて嫌だよ!!

「部屋でにしてください!!!!」
「歌恋はうるさいな…。」
「部屋に移動するぞ。」
「お前はついてくるな!!」
「なっ」

部屋に戻りサイズをはかられる。

そんなに本格的じゃなくていいのに…

「バスト83ウエスト56ヒップ80ですね。」

「歌恋お前意外と胸あるんだな。」
「なっなんであんたいるのよ!」
「いや見に来ただけだ。」
「来るなアホ!」

私は、近くにあったメジャーを投げた。
恨みを持って投げたメジャーは投げたとは思えないスピードを出し、ルークの真横を通った。

「歌恋おまえっ」
「何。今の…?」
「やっぱり魔力あるのか?」
「え?」

ルークが私の手を握る。

「ちょっ…」
「やはり感じない。歌恋お前は何者なんだ?」
「何者って言われても…。今のは逆に聞きたいくらいだし。」

変だ。
体力テストでもわたしは13mしかボールを投げたことがないっていうのに、しかもあんなスピードで投げられるわけがない。
私って本当になんなの?

そうだ。本になら私の状況が書かれたかもしれない。

召使さんたちが部屋から出終わったあと、ルークに本を見せた。

「この本に導かれたと…?」
「うん。多分」
「で、過ぎた出来事がこの本に書かれると?」
「ほぅ。」