「どうやって金の国まで行くの?」
「飛ぶ。時間ないし。」
「え?」
「時空転送魔法使えないし。」
「へ~。それってどうやるの?」
「んー。行きたい場所を思い浮かべればそこに行ける。ま。金の国の王しか使えない魔法だけどな。」

行きたい場所って金の国だよね。
ちょっと思い浮かべてみよう。

「おいっ!」
「え?」

目を開けると黄金で輝く街が広がっていた。

「お前…何した?」
「ちょっと金の国を思い浮かべてみただけ…」
「お前何者?」
「わっわかんない…。」

その瞬間街中にサイレンが鳴り始めた。

「ちょっとまずくね?」
「はい」
「え?どんな感じにまずいのアレン?」
「金の国は国に入るとき金のバッジを貰うんです。それを付けていないものは侵入者とみなされ…。」
「え?」
「殺されます。」

女騎士のアリスが恐ろしいことをハッキリと言った。

…ちょっとってかかなりまずいよ?
私のせい?なんだよね。

「どうしようっ」
「姿でも消すか。」
「どうやって?」
「俺の魔法。闇の魔法だよ。」

闇の魔法ってなんか危ない気がするんですけど。
大丈夫なのかな…。

「影隠し。解。」

ルークがそう言うと、私たち4人の影は消えほかの人には見えていないらしい。

「侵入者はどこだ!?」

軍隊らしき人たちが黄金の装備をして、走っている。

重そうだな~。

「歌恋。」
「ん?」

ルークが小さい声で話しかけてきたので私も小さな声で反応する。

「あの城まで行けば俺の顔が通る。あそこまで時空転送できるか?」
「さっきみたいにあそこを思い浮かべればいいの?」
「そうだ。」

あの大きな金の建物まで…。

目を開くとさっきまであんなに遠くにあった金の城が目の前になっていた。

「お前スゲェな!」
「えへへへ?」

ルークが私を褒める。
どうやら、影隠し?は既にとけているらしい。

アレンとアリスさんもちゃんと一緒にいる。

「…っ。」
「アレン?」

アレンの表情が今までとは明らかに違っていた。

「どうしたの?ケガでもした?」
「いえ…。」
「アレン。私情は持ち込まないほうがいい。」
「あぁ。すまない。」

アリスさんがアレンをなだめるような口調で言った。