「歌恋起きろー」
「んぅ~…」
「飯だぞ。」
「っ!」
「呆れた…。お前飯に執着しすぎ。」

ルーク…

いやいやいや。
さっきのことは忘れよう。

「歌恋」
「はいっ!」

今の不自然だったな。
意識しすぎだな~…。

「ドレスができた。」
「おっ。どんなの?」
「いろんなの。100着作ったから。」
「はぁっ!?」
「飯食い終わったら、試着して」
「100着も?」
「着たいのだけでいいからさ。」
「わかったけど…」
「多分近々会談するから、その時お前も来いよ。」

会談ってあの偉い人たちが集まって話し合うやつ!?
なんで私がそんなのに出ないといけないの!?

「俺の考え方を変えさせたのはお前だろ。」
「だからって連れてかなくてもいいじゃん」
「別にいいだろーオレの女を見せつけるの。」
「はぁぁぁ?」

まぁこの城に残されるのも嫌だしまぁ行ってもいいんだけどさ。

「どんな人が来るの?」
「多分、黒、白、緑、黄、青、紫だろ。」
「ほかにも国あるの?」
「…ある」
「どこ?」
「金の国」

ルークによるとこの世界は表向きには黒の国、ルークが治めているのだが裏で操っているのは金の国らしい。

金の国には選ばれたものしか生活することが許されず、王家の人間はもとは金の国の住人だったらしい。

その金の国で行われる。

「金の国でやるのに金の国の人は来ないの?」
「気が向いたら来る」

会談は王のお付きの人は3人までで、私とアレンともうひとりアリスという女騎士が行くらしい。

「歌恋!」
「え?」

ビュッ

目の前をものすごいスピードで塊が通った。

「何!?」
「金の国からだ。」
「金の塊じゃん!危なっ!!!」
「やっぱり三人だな。ん…?」
「どした?」
「明日からだと!?ふざけてる…」
「明日!?」
「歌恋。飯食ったらすぐ出るぞ!」
「エェェェ…」

そうして私たちはご飯を猛スピードで食べて作ってもらったドレスを何枚か持って出かけることにした。