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どうやって帰ってきたのか。
私は自宅のベッドに寝かされていて、隣には彼がいた。
多分、泣き疲れて、彼が運んでくれたのだろう。
目に手を当てると腫れぼったい瞼に鈍痛が走った。
ベッド端に彼は頭をもたれさせて、辛そうな寝顔を見せる。
左手で、顔にかかっている髪をそっと拭ってあげる。
柔らかくて、短い髪が指の間を通り抜ける感じが心地よい。
いつまでも触っていたい…なんて。
さっき、決めたばかりじゃないか。
でも、いざ実行となると決心が揺らぐ。
彼の隣はこんなにも心地よいことを知ってしまったから。
離れたくないな、と彼の手をそっと握る。
ぎゅっと握り返された手のひらにさらに決意を崩されそうになる。
駄目だな、彼のためって決めたのに。
私はベッドからそっと抜け出し、彼の手を慈しむ様に振り解く。
解かれた左手を右手で包み込む。
このぬくもりを忘れないように。
ずっと。

