それも振り切ってそこを後にすればもう、仕事に戻るまでだ。



鞄から携帯を取り出してみると、着信が1件あった。
大さんからだ。




折り返し電話をかける。



1コール、2コール、3コール 


『もしもし、星川か?』

ちょっと、相手確認しないで出ているのかと疑う。



「はい、さっきは電話出れなくてすみませんでした。」



『おおー。星川いつもサイレントだから出ないのは承知でかけてるから気にするなー。』




「すみません。あの、どうしたんですか?」




『あぁ、そうだったな。
帰りにチョコ系のアイス買ってきてくれないか?
あと、マイルドセブンワン100s。』





…あきれて言葉を失う。
部下に電話した内容がアイスとタバコの催促とは。





「あー、私もう戻るんで、すみません。」
コンビにも寄ろうと思わなくても沢山あるがあえて切る。




『ええー。星川、お前可愛い上司の言うことも聞けないわけー?』
ふて腐れ全開でぶつけられても。


それは本当に困るではないか。