『ああ、そうか。
まず婚姻届からだね。』
「ちょっ…と。」
なんと切り替えしていいのか分からなくなり、味噌汁を啜った。
慌てていたため、なめこを咀嚼せずに飲み込んでしまった。
誤飲だ、大変だ。
『まぁ、そんなに慌てないでよ。』
「これが慌てずにいられますか。」
何に対して慌てるなと言われているのかいまいち判断つかないあたりが確信犯だ。
湯飲みを持ち、お茶を啜って自分を落ち着かせる。
彼のペースにはまると抜け出せなくなることはもう百も承知。
正攻法で行こう、かつ正論で…
「あっ、そうだ。藤野さん、原稿。」
私の今日の使命はここにある。
そして、これが私の取り柄でもある。