無邪気に微笑み、そして「ねぇ先輩、喫茶店行きましょ。大渕さんに嫌と言うほど金出させましょ」と続ける。
その言葉を聞いた大渕は、「え、聞いてないけど…まぁ梓ちゃんならいいか」なんて笑っている。さらりと名前呼びやめろ。梅酒かお前は。
さっぱりしたあの味を思い浮かべる。そういや最近飲んでないなー。
苦笑し、そろそろ自身のデスクに戻ろうと足を進める。
「あ、先輩…」
「遠慮しとくね」
十中八九、喫茶店の件のことだろう。悟った私は、手短にそう伝える。
咲耶くんからの、“わかりました” 呟きの声。
それと、主任の“お前らもうそろそろ作業しろー” の声はほぼ同時で。
そそくさと席に戻る彼らを視界に捉え、またもや控えめに笑う。
デスクの上に先程貰ったミルクティーを置き、自分もイスに座った。
…さて、仕事するか。
私、桐野 梓(キリノ アズサ)。
騒がしい一日を、満喫します。
