自分が今適当に作った単語が、世間一般に使用されると思うと悪い気はしないね。むしろ嬉々としてるね。
どやぁ、といった面持ちで嘲笑うかのごとく鼻で笑ってやると、大渕真はきょとん、とした表情で私を見つめるばかり。
…腹でも殴ってやろうか、この同僚。
拳を固く握り締めたその時、
「おはようございまー…あ! 二人して何してんですか!?」
…救世主だ。
「もう、さっさと仕事しちゃってください。…何で俺の周りの上司ってこんな遊び呆けてんのかな」
なにげに心の声が出てるその後輩は、藤宮 咲耶 (フジミヤ サクヤ) という。
仕事とプライベートで一人称を変えているらしく、見た目こそは今時の子だけれどもしっかりした、自慢できる後輩だ。
年は一つ違いの二十歳。今年入ってきたばかりの新人。隣のデスクなのでよく話したりしている。
「何か言ったか、藤宮」
「いえいえ、でも三沢さんも梓先輩からかうのは程々にしてくださいね」
にこにこと笑い、ミネラルウォーターを手渡す。
流石、咲耶くんだ。三沢さんが毎朝珈琲を飲むことを把握している上での飲み物チョイスに感心せざるを得ない。
と、彼の背後で不機嫌そうな顔をする奴が約一名。
「遊び呆けてるなんて心外~、咲耶こそ遅刻ですけどお」
