―――半強制的に連れてこられたのは、屋内から出たところの右にある、ちょっとしたテラス。
お昼時は女子社員のお喋り場所となるのがパターンで、1時を過ぎた今でもそこにはまばらにだが人はいる様子。
弥生は目に付いたイスに適当に座り、ニコニコとどこか挑発的に、座らないの? とか抜かしやがる。
それにイラついた私も、不機嫌さを隠そうともせずに荒っぽく腰掛けた。
「なんで怒ってんのー?」
「別に。ただ昼食はオフィスでゆっくりと一人で取りたいなぁと思っていただけ」
「寂しい子」
「黙れよ」
はぁ、と息を吐いて一度睨むも、効果はなし。
それどころか綺麗な笑顔を崩さないまま、機嫌悪いね、なんて言い出した。
…分かってはいる。
周りの女子社員が、遠目から私たちのことを窺っていることも。弥生が人気だってことも。
だからこそ、弥生が何故ここに連れてきたのかわからないし、正直居心地が悪い。
もし“俺、やっぱモテてんでしょ?”みたいな自慢まがいの理由でなら、確実に許さない。
「ねえ、弥生…」
「なに? っていうか食べたら? お昼休み終わっちゃうよ」
横目でそう言い、自分はさっきのコンビニの袋からサンドイッチを取り出し、ぺりぺりと包装を破る。
私は開いた口を閉じ、同じようにサンドイッチを手にとった。
