「ゆりは、すーぐ怒るんだ」 言いながら近づき、ふくらんだ私のほっぺたを人差し指で突付く。 槙に押された私のほっぺからは、ぷしゅ~と空気が抜けていく。 槙がそのほっぺを両手で包むと、チュッと唇がふれた。 瞬間、顔が熱くなる。 「でも、こうするとすーぐ機嫌よくなるんだ」 「もうーっ」 私は怒ったように声を上げるけれど、実は照れくさくて嬉しくて、耳まで熱い。 槙なんて 槙なんてっ。 だーい好きなんだからっ。 おしまい