芝生の上に座り込み、頬杖をついて槙を見つめる。 そしたら、ボールばかり見ていた槙と目が合った。 ボールに集中してるはずなのに目が合った。 「ゆーり。ほらっ」 言った瞬間、ボールが私のほうへ、ぽ~ん て飛んでくる。 慌てて両手でキャッチするはずが、掴みそこねてボールは地面に転がってしまった。 「へたくそぉ~」 槙は、ボールをとり損ねた私を見てケラケラと笑っている。 「だって、急だからっ」 私は、ほっぺをふくらます。