―――― リフティング ――――



  槙 (しん)   ゆり (ゆり)




「うわー。すごーい」

私は、グラウンドで槙のサッカー練習に付き合っている。

「まかせろ」

得意げな顔の槙は、さっきから私にリフティングを披露してくれている。

本当、槙てば凄すぎだよ。

私はそれをただ見てるだけなんだけれど、でも槙のリフティングが凄すぎて、続きすぎで何気にヒマ……。

さっきからずーとボールが槙の足から離れなくって、初めは確かに目を奪われたけど、百回過ぎた辺りから、なんか私寂しいじゃん……。

ただ、黙って槙の姿を見てるだけで、つまんないじゃん。

ねぇ ねぇ しんー。
私もかまってよぉ。