「よぅ、瑞季。」

「あっ、優也。おはよっ。ごめん、遅れたー。」

「あのなぁ、お前はどんだけ遅刻したら、気がすむんだよっ!」

「ごめんなさい。」

「謝ってすむんなら、警察いらねーよ。・・・ほら、うしろ乗れよ。」

「わーい♪ありがとっ☆」

「・・・・・・はぁ。急いでくから、掴まっとけよ。」

「そう言って、自転車のペダルをこぎ始めた。」

この人は、桜場 優也。

あたしの幼なじみ。同い年だよ。お兄ちゃんみたいで、頼りになるんだー♪

でも、優也のおかげで、遅刻しなくてすんだよ。

なんだかんだ言って、そゆとこ優しいんだよね。

一息つきながら、振り落とされないように、優也のシャツをつかむ。

「さすがにクリスマスだなー。さみぃ。」

「うん、ほんとー。」

「そういえば、今日は瑞季の父ちゃんと母ちゃんの、結婚記念日だろ ? 」

「うん。優也、よく覚えてたねー。」

「まあな、16年もの付き合いだからなーっと、着いたぞ。」