雨の中、夜の10時。


俺は自転車を走らせていた…。



そんな夜中、お前はどこにいく?


その問いにお答えしよう。


コンビニに自転車で向かっていたのだ…。
タバコを買おうと思ってね。


雨、夜中、オレ。


暗闇に染まる俺はさぞかしダンデーだっただろう。




ブー!


その時一台のパトカーが俺を追い抜いた。


「すみません。ちょっと止まってくれます?」




警官は俺に声をかけてきた。





またか…。



俺は胸ポケットからサインペンを取り出した。


またサインを求められたのである。





オダギリジョー似(自称)の俺はよくあるんだ…。


よく間違えられるのさ。


…まあいいさ。






「すみません。少し自転車見せてくれます?」



彼はそう言うと頭を下げた。


な、なに?


俺じゃなくて自転車に興味あるのかお前は。






このダンデーな俺を差し置いて…。



こ、このダンデーな俺を差し置いて自転車に惚れたのかお主はああああはあはあはあ(エコー



その後名前と住所を聞かれた後はよく覚えていない。


だって…


だって、、彼は自転車にゾッコンなんですものー!



あたしを差し置いて、あたしを差し置いてムキー!


何やら防犯登録の番号やら何やら調べている。



オレは負けたのか…。



自転車に負けたのか…。




絶望の縁に立たされた俺…


自転車に負けた俺…



カッコイイ俺…



カフェ俺…



放心に暮れる俺をよそに警官は

「ご協力ありがとうございました。雨降ってるから気をつけて下さいね。」


と顔をあげた。




彼の顔が街灯に照らされた。


オレ「あっ………」


警官「あっ…………」






雨の中、二人は頬を赤く染めたのであった。





※この物語は半分位フィクションです。