中2になる、始業式が始まる。僕はある悩みを抱えることになる。





_ボーッと、こっそり持ってきた雑誌を机の上に広げて眺める。

「佐々木ー!何エロ本読んでるんだよー!俺にも貸せよー!」
 
また同じクラスになった、幼馴染みであるたけしからどつかれた。エロガキの代表である彼は、名字の吉田から“エロ吉”と呼ばれている。

「エロ本とかじゃねーし。お前の大好きな作者のマンガだよ。」

「マジ!?貸して貸して見して!!」
  
 エロ吉に雑誌を放り投げて、机に突っ伏し考え込んだ。
 
 中学2年生…それは、中学校生活で一番輝き、人生で青春できるかどうかがはっきりしてくる、そう。人生で一番重要な時期なのだ。

「うおおお!?久しぶりのパンチラ来たーっ!!」

「…お前さ、女のパンツと学校生活、どっちが大切なのさ?」

エロ吉は質問に対して、かなり真剣に答えるほうだ。だから、今回の質問にも真剣に答えるだろう。

「…ぱんつ。」

 あぁー、青春してぇ。

 後ろから、つかつかと足音が聞こえてきた。徐々に近づいてくるが、エロ吉は全く気づかない。

「エロ吉、後ろ!」

呼び掛けた時にはもう遅かったようだ。

「…あらあら、学校にこんな本持ってきちゃって?いけないでしょう、エロ吉くぅん?」