つきのなかみ




謝るくせにツキ君はまだ離してくれない。



「い、いやじゃないけど、いやとかじゃ、ない、けど!」



頭の中がぐるぐるする。

熱、絶対上がると思う。



「継乃」



ふいに、ツキ君があたしから身体を離して、でもやっぱりいつもと違う鋭い声で、あたしを呼んだ。

長い沈黙。