「つー、ぐー、のっ!」 遠慮無しに窓を勢いよく開いて、あたしの部屋にツキ君が入ってきた。 ツキ君は、あたしの幼馴染。 本宮月(モトミヤ/ツキ)っていうから、ツキ君。 隣の家に住んでいるのをいいことに、しょっちゅうあたしの部屋に突入してくる、問題児だ。 普通なら、ここは怒るべきところなんだろうけど、あたしは、病弱な自分の身体と同じくらいツキ君に慣れてしまっていて、怒る気にはなれない。 そもそも怒る体力も持ってないし。