人気の少ない公園。

空いているベンチに座ると声を殺して泣いた。

私じゃない。

私は何もしてない。

なんで私がこんなにひどい目に合わなければならないの?

私だって被害者だもん。今までずっと虐待されてきたのに、それなのに。

ひとしきり泣いたら、気分が落ち着いてきた。

父がしたことはどうしようもなく悪いこと。
酷いこと。

だけど、父がそうしてしまったのは、私が父のことをちゃんと分かっていなかったからなのかもしれない。

ただ父の暴力を許してきたから、このような悲惨な事件を招いてしまったのかもしれない。
だったら、私にも責任がある。

私も父と同罪なのかもしれない。



そう考えたら酷く自己嫌悪に陥った。

私がもっとしっかりしてたら、父を止められたかもしれない。父の心の闇にもっと気付けていたら、こんな事件を起こさなかったかもしれない。

「ご・・めんなさ・・・、ごめんなさい」


誰に謝るわけでもなく、私はただただ呟いた。