「今日からあんたはここで暮らしてもらうから」
私の叔母さんだという美和子さんは私の部屋から必要最低限の荷物だけ持ち出すと、車で1時間ほど離れたマンションにつれてこられた。

物置として使われているような荷物がたくさんある部屋に通され、私の荷物を放り出された。

「あの、どういうことですか?なんで私ここで暮さないといけないんですか?それに父が帰ってくるかもしれないのに、私が家にいないと…」

夕食の支度も風呂の支度もしていない上に、父の部屋も美和子さんが引っ掻きまわしたままになっている。

父が帰ってきてそれを目にした時、私に与えられる暴力を想像して血の気が引いた。

「あんたの父親はたぶん帰ってこないよ。帰ってきたくても帰れないしね」
美和子さんは冷たい目で私を見ながら言った。

「帰れないって…?」

「言っただろう。あんたもそのうちわかることになるよ。いいか、ここに住まわせてやるんだから、炊事洗濯掃除、全部お前がやるんだからね」

それだけ言うと美和子さんはさっさと出て行ってしまった。