「ふーん…」

払われた手を眺めた後奴は言った。

「そんな嫌そうにすんなよ。俺は仲良くやりたいんだけど」

何言ってんのよこの人は。

「…敵のくせに」

「確かにな」

「きゃっ」

奴はあたしはの腕をグイッと引っ張り…

耳もとで囁いた。

「仲良くしようぜ?…如月栞那ちゃん」

…え?

「何で…名前…」

「何でだろうね?用は済んだし…またな、栞那ちゃん」

「え、あ、ちょっ…」

気づいた頃にはもう奴は消えていた。

それにしてもあいつ…
何者なの?