1、2時間目の授業を終えて

教室でぼーっとしてた頃。

どこから帰ってきたのか、愛が急いだ様子であたしに近寄ってきた。

「ちょ、夕凪っ!」

「あ、愛。どーしたの?」

「どーしたの?じゃないわよっ。あんた達が付き合い始めたって噂、もー全部に広まってるわよ!?」

「ほ、ほぇ!?まだ、1日も経ってないのに!?」

そんなに噂って、はやく広まるもんなの?

「け、けーごっ。」

「ぷっ。ばーか。そんな顔しなくてもへーきだって。」

「ほへ…?」

「なにかあったら、俺が守ってやるし。だから、心配すんな。」

ぽんぽん、とあたしの頭を撫でて

そう言ってくれる京吾。

「ありがと。けーごがいるなら、大丈夫だね。」

「なんだそりゃ。」

「安心したってことー。」

あたしは、京吾の隣で

えへへ、と笑ってみせた。