♡双恋♡

その日の授業は、なんだかいつもよりも長く感じて、

くるはずもないのに、隣の京吾の席を見てばっかりだった。

「はぁ…。」

「…?ゆーなぎ?」

「わっ!あ、愛っ!」

「もう放課後だよ?はやく帰らなくていいの?」

「あっ…!」

あたしは、がたんっと音を立てて

椅子から立ち上がった。

「こけるなよー、ゆーなぎっ。」

「こ、こけないもんっ。じゃ、また明日ねっ、愛!」

「うん、明日ね。」

あたしは、愛にばいばい、と手をふって

走り出した。