♡双恋♡

そして、ちょうどお弁当を食べ終わった後。

「谷村。」

と、京吾に呼ばれたあたしは

京吾のあとに続いて、別校舎へときていた。


「ここ、さっむーいっ。」

もう冬だなぁ、と思いながら

重ねた手に、はぁーっと息を吐く。

「んで?どーしたの?京吾。」

「これ。メアド。」

「ケータイ買ったの?」

「まぁな。」

あたしは、紙を受け取って

寒いから、早く教室に戻ろうとした。


その瞬間。

後ろから、京吾にぎゅっと抱きしめられた。


「ちょっ…。京吾っ?」

「ん?何?」

「何?じゃなくてっ。どーしたのっ?」

「お前、あったかいからさぁ。」

そう言った京吾は

あたしをもっと強く、抱きしめる。

ちっちゃいあたしの身体は

すっぽり京吾の腕の中におさまって

心臓の音まで、聞こえてしまいそうだ。