「部屋、帰ろっ…。」

玄関にいたら、誰が帰ってくるかわかんないし。

何より、今の自分の姿を

見られたくなかったから。

「胸が、ドキドキする…。」

鼓動は、いつもより速く

大きく高鳴っていて。

自分がどれだけ、ドキドキさせられてるのか

思い知られるようだった。

「今日はもう、眠れないかも…。」

しばらく鳴り止まないであろう胸に手を当てて

あたしは、ベッドに倒れこんだ。

ゆっくり落ちていく

闇の中に…。