「キス…されたっ…。」

ほとんど無意識に、あたしは自分の唇に触れた。

少女マンガとか、恋愛小説とかで

見たり読んだり、したことはあるけど。

自分がするようになるとは、思ってもみなかった。

「こんな、感じ…なんだ。」

なんとも言えない、よくわからない

でも、身体の芯が熱くなるような

そんな感覚。

「けーご、好き、だよ…。」

あたしは、誰もいない玄関で呟いた。