玄関にて。

「今日は、ありがとね。」

「何が?」

「今日1日、すっごく楽しかった(^^)」

「…俺も。」

えへへ、と照れ笑いすると

京吾は急に、あたしとの距離を縮めた。

「けーご?」

「…悪い。」

そう言った京吾は、腕であたしの目を隠して

「ちゅっ…。」

唇に、何が触れた、と思ったとき

「もう1回。」

という、京吾の声が聞こえた。

「ちゅっ…。」

確かに唇に触れた、京吾の唇の感触。

腕をどかした京吾は、あたしをみて

「悪い、我慢できなかった。」

そう言って、あたしの頭をポンと

撫でた。

「また明日、学校でな。」

「う、うん。また明日ね。」

あたしは、ばいばいと手をふって

京吾を見送った後、

ペタン、と玄関に座り込んだ。