「ふわぁー。よく寝たぁ。」

中学3年の秋。

もう、だいぶ冬の寒さが近づいている頃。

あたし、谷村夕凪は

受験生とは思えない気楽さで

朝を迎えていました。


「夕凪ー!遅刻するわよー!」

「はぁーい。」

お母さんのおっきい声に圧倒されつつ

あたしはリビングへと足を運んだ。