私たちは保健室を出た。


「ねぇ。」

「ん?」


あ!いきなりタメだった!!


「あ、はい?」

「ふふっ、いいのよ、タメ口^^」


へぇ~、こうゆう顔もするんだ~


「それより、あなたのケガ、転んだんじゃないでしょ?
 朝、クラスの女子たちに、押されて転んだんでしょ?」

「・・・。誰にも言わないでね^^」

「どうして? どうして本当のことを先生
 に言わないの!?」

「だって、言ったら、あの子達、大好きな山田君に
 見放されると思って・・・。 
 いくら加害者でも・・・。好きな人に見放されるのは
 可哀想だよ・・・」



「お人よしね」

「え?」

「常にあなたはだれかれかまわず、相手の気持ちを
 最優先するのね」

だれかれかまわずって・・・。


「そうですかね・・・。」


「私の知り合いにも、そういう人いてね・・・。
 でも結局、誰にでも優しくすると、
 必ず傷つく人がいるのよ・・・」


私は、そのときの上村さんの目を忘れない。


あんなに悲しそうで、苦しそうな瞳・・・。

胸が苦しくなった。



「あの・・・。なんか悩みあるなら・・・
 私でよければいつでも聞くよ?」

「え・・・。」

「頼りにならないかもだけどねっ」

「・・・ありがとう。」

「あ!私のことゆうでいいよっ」

「じゃあ私のことも、あみでいいわ^^」

「うん!・・・でも!」

「え?」

「あみまで、はぶられるよ?」