どうしたのか聞くと 「知らんおっさんが、死にたいなら殺してあげようか?って…」 震える声で、母はそう言った。 俺の家は、ドアノブの上と下に鍵があり、中々ない鍵穴なので、外から開けるのは、鍵がない限り難しい。 その上、俺の部屋の隣に階段があり、誰かが通るとギシギシと鳴るので、その音を俺が聞いていない、という事は、幻聴や幻覚だとしか考えられなかった。 その頃から、母はリストカットをするようになった。