夜中に泣き出したと思えば、知らない男が俺ら家族を殺して行っただとか、カーテンのとこに目があるだとか、虫が体中を這っているだとか、酷い幻覚を見るようになった。


 中1にして不登校だった俺は、昼間も夜中も、母を支えた。


 薬が抜けきる直前は、本当に酷かった。


 死ねだとか、飛び降りろだとか、手で首を絞めるよりタオルの方が良いだとか、自殺を促すような幻聴が聞こえるようになった。


 母の部屋の前が俺の部屋で、電話がなると、すぐ駆けつけられるように、いつも携帯を耳元に置いていた。


 その日もいつも通り、携帯のマナーモードを解除し、耳元に置いていた。


 すると、夜中の2時頃、電話がなった。


 すぐに母の部屋に行くと、母はボロボロと泣いていた。