その仕事のうえでの失敗というのが、先輩からの引き継ぎミスで今日から絶食であった患者さんに水分補給のお茶を飲ませてしまったことだとか。


いつも仕事中にもかかわらず彼氏からのメールのチェックをしている後輩の、相手の彼氏というのがいつも横柄な態度をとるリハビリ室の言語聴覚士であることだとか。


そんな小さいことを気にしているわけではないのに。


わたしは、
そんなに、
小さな、
人間では、
ないのに。

断じて、
違う、
のに。



――― あれは腹が立っただろう、とか。

――― 君も大変だね、とか。

――― 良かったら、今夜ストレス解消に…、とか。




「バッカじゃなかろうか、…と言えたら楽になるんでしょうか」



熱い珈琲を一口飲んで、わたしは息をつきました。