「・・・わっ、すみませんっ!!! ・・・あの、さっきは、ありがとうございましたっ!!!」

『あー、いや、全然気にしないで、ってか、その制服、星宝学園のだよね ? 新入生 ? 』

「・・・あぁっ!!!忘れてたっ・・・入学式・・・。」

『あ、やっぱ、そーなんだ。実は、俺も新入生☆寝坊しちゃって、さ。ってか、時間ヤバイしっ!!!いこーぜっ!』

んっ!?なんか一瞬、体が浮いたような気が・・・って!!!

「えっ・・・って、うわぁぁぁぁぁ!!!何してんですかっ!?」

お、お姫様抱っこって・・・!?

『だって、あと5分もないし、こっちのほーが、速いっしょ♪』

「えぇっ・・・でっ、でも。」

『気にしない、気にしない。まぁ、遅刻したいんだったら、無理に、とは言わねーけど。』

「 ・・・・・・お、お願いしま、す・・・。」

『よーしっ、じゃあ、しっかり掴まっててな。』

爽やかさ100%の笑顔で、そう言って駆け出した彼は、すごく速くて、5分以上の道のりを、1分半ほどで着いてしまった。