私の荷物は、


一ヶ月の入院のせいで、


山のように多い…。


さらに、膵炎と一型糖尿病という病気のせいで、


沢山の薬、インスリン、注射針等のお土産がついてきたのだ―――。


母は冗談交じりに、


『薬屋さんができるわね!』


と言って笑っていた。






――会計などを全て済ませ、


病院から出る時に、佐藤さんに最後の挨拶をした。


『佐藤さん、色々ありがとうございました。』


と言って、昨日母に持って来てくれるように頼んだ花を渡した。


佐藤さんは泣いていた…。


きっと色んな思いがあるのだろう…。


佐藤さんは子供がいて、


子供を一人残してきて、


ものすごく罪悪感を感じているようだった・・・。


私は負けずに頑張って欲しいと思い、


『お子さんの為にも、焦らずじっくり治して下さいね!』


というと、


『はい…、もう少し頑張ってみますね!』


……その表情には決意のような物が見えた―――。