愛しい世界は君がいるから





近付いてくる顔がどうする気なのか

分かってるくせに

体が動かない。

嫌じゃないから、好きだから。



でも…両想いじゃなきゃ意味ないよ


そっと顔を反らして

多田君を離す。


「・・・・・・ごめんな」


一言、辛そうに呟いた。

二人の距離は近いまま。

沈黙が続いた。




「萌々ー、まだかよー?」


遅いからか輝が教室に戻ってきた。