1時間後


「多田君」

「ん?何ー」


笑顔で嬉しそうに聞いてくれる

って嬉しそうには違うよね

私みたいな普通の女子に

話しかけられたって

嬉しくないよー


「萌々ちゃん?」

「あ、ごめん。あのねっ」

「うん」


ぼーっとしてた私をくすって

笑う多田君。

笑うなって普段はむきになるけど

こんな優しく笑ってくれるなら

ずっと笑われててもいいかも…

って何いっちゃってんの私!

もー、やだ、恥ずかしぃ


「おーい?萌々ちゃーん?」

「はっ、ごめんなさい!」

「いやいいんだけど、俺の顔に
何かついてる?」