五人多い家族。



「何ですか?」


また、同じように口パクで何か言ってる。


「なんなんだょぉ」


「その人はね」


はっ!!

いきなり隣から声がした。


「その人はね、声を出せないんだょ。」


ゆっくりと、喉元をガラガラ言わせながら

あの腰の曲がったおばあちゃんが話してきた。


「彼の名前は、慶志くん。病気で声帯をなくしたから、話をできないのよ。でもね手話でなら話せるのよ。ねぇ、慶志くん」