「何ですか?」 また、同じように口パクで何か言ってる。 「なんなんだょぉ」 「その人はね」 はっ!! いきなり隣から声がした。 「その人はね、声を出せないんだょ。」 ゆっくりと、喉元をガラガラ言わせながら あの腰の曲がったおばあちゃんが話してきた。 「彼の名前は、慶志くん。病気で声帯をなくしたから、話をできないのよ。でもね手話でなら話せるのよ。ねぇ、慶志くん」