「丁度見飽きてよかったよ」
おばさんはそう言って笑った。
「そんなこと言って、
本当は寂しかったんですよね」
おばさんの横顔を見ながら言う。
私はどれだけおばさんがおじさんを
愛しているのが知っている。
私にはそんな人はいないけれど
いつか巡り逢えたらな、と思っている。
私たちが話していると
ちらちらとお客さんがやってきた。
「やあ、美桜。おはよう」
お客さんはみんな挨拶をしてくれる。
「おはようございます。
いいお天気ですね」
他愛もない話をしながら
席へと案内をする為立ち上がる。
「美桜。ここはいいから
アイツを迎えに行ってきておくれ」
おばさんはそう言うとお客さんを
案内し始めた。
「はい、いってきます」
私は忙しく動くおばさんに
少し大きな声をかけた。
