卑怯だって分かってる。

それでもいいの、幼馴染みというこの境界線を越える事が出来るなら。

穂月の両肩に手を置いて、体重を掛ければ抵抗も無く二人で倒れ込む。


「か、楓っ」

「もう、幼馴染みのままは辛いの」


穂月はまだ何かを言おうとしていたけど、唇でその口を塞いだ。




君が泣いた夜


卑怯でも良い


幼馴染みという境界線を


越えてみたかった。






Fin.