波のように次から次へと込み上げてくる感情。





悲しさ




虚しさ




惨めさ




押さえようとすればするほど押し寄せて来て喉を鳴らしていく。








もし、もし聖からのメールを返してたら…


“部屋”に行ってたら…



何か変わってたのかな?



少なくともこんな思いはしなくて済んだのかなぁ?






……。








ははっ、



馬鹿だなぁ。



アタシ。



なにちょっと期待しちゃってたんだろ。



ほんと…馬鹿だなぁ。



後悔したって意味無いよ。


きっと、変わらなかった。



アタシがもし“部屋”に行ってたとしても、きっと何も変わらなかった。







きっと聖はアタシにキスした後でも、あの人の腕を許してた。





それが当たり前。







聖の気紛れに振り回されちゃったんだね、アタシ。









なかなか止まってくれない涙。






ハンカチ一枚じゃ全然足りなくて、零れる涙を吸い込んでくれない。





それなのにアタシの涙腺は崩壊しちゃって絶え間なく頬を滑り落ちる。





しまいには拭いきれなくて床にポタポタと落ちる始末。




なかなかとまる気配もなくて、バッグを漁ってみてもハンカチの代わりになるものはなかった。





床に染みを作っていく水滴。




アタシは俯いたままただひたすら床の染みを見つめ続けた。