ふう。
緊張したせいか疲れた。
「桃ちゃん!俺のバースデーは10月10日だからね!」
「あはっ!うん、わかった!覚えとくね!」
「うん。期待しとく♪」
「しげくぅん!」
!?
甘ぁ〜い声で現れたのは確か…隣のクラスの子。
名前は知らないけど…
鈍感なアタシでもすぐにわかるくらいの大っぴらな態度でしげくんに喋りかける女の子。
すごい。
胸が大分開いた、
かなり胸の開いたドレスを来た女の子はその零れそうな胸をこれでもかってくらいしげくんの腕に押しつけている。
一方しげくんはちょっと困った顔をしながら相槌を打っている。
‥‥可愛そうに。
「あっ!」
ん?
麻紀が小さな声を上げた。
麻紀を見るとどっかを見て顔を歪ませている。
?
麻紀の視線をたどってその先を見てみると、
げっ!!!
さいっっあく!!
「櫻田薫子…」
そう。
麻紀の視線の先にはあの櫻田薫子!!
アタシを呼び出した時と同じメンバーで我がもの顔で入ってくる。
しかもめちゃくちゃ派手で目立ってる!
「あんた負けるんじゃないよ!」
「え?なにが?」
意味不明な言葉を投げ掛けてくる麻紀。
「なにがじゃないわよ!あんた」
ええ!?
何そんな怒ってるんですかぁ?
「あの女、おとなしそうな顔してるけど胡散臭いのよっ!」
「ちょっと!麻紀声が大きいよ!」
「うっさい!」
ひぇ〜〜
麻紀さんかなり怒ってますよ…
何でそんなに怒っているのかはわからないけど、触れちゃいけないような気がしてアタシは押し黙った。
麻紀には櫻田薫子からのメールの事は言ってない。
呼び出しを受けたことは知ってるけど…
たぶんその事で怒ってるんだろうと思うけど…
怒りすぎじゃないですか?

