桃色☆クローバー

「もぉもーちゃんっ」

ビクッ

あれ?

しげくんだぁ〜


「しげくんも来てたんだ!」


「え?何言ってんの桃ちゃん。
来てたも何も自分家だし」

…え?

自分家って、

ええ?



てことは……てことはもしかして?


「たっちゃんとしげくんて、兄弟?」


「うん、あれ?知らなかった?」


うんうん!


いっぱい首を縦に振って驚きを表現してみせた。


「じゃ、しげくんもお坊ちゃまだ…」


え?と微妙に困った顔をするしげくん。


なんか変だったかな?


「それより、そのブーケ兄貴に?」


「あ、うん、そうそう!」

忘れてた


「たっちゃん!お誕生日おめでとうございます」


「蓮美、わざわざありがとな。きれいな花束まで」


「いいえ。どうぞ」


ブーケを差し出すと笑って受け取ってくれた。

気に入ってもらえたみたいでよかった。


「たっちゃん、今年で何才になるの?」


「25」


へぇ〜

たっちゃんは若く見えるね!


9個上かぁ〜

大人だね。










コンコン



しばらく喋っているとスーツを来たおじさんがやってきて、パーティの始まりを伝えにきた。


「お坊ちゃま、そろそろお時間ですので御支度の方をお願いいたします。」

「わかった」

たっちゃんが返事をすると軽く一礼をして

「皆様もホールの方へお越しください。」

また一礼して言うと静かに部屋を出ていった。


「じゃ俺は着替えてくるからお前等は下に行ってろよ。」

「えぇ!麻紀もいくぅ!」

麻紀が我儘を言ったけどしげに引っ張られて部屋を出た。

アタシも二人に続いてホールに移動した。


「聖」

「は?」

「お前はちょっと残れ」


聖はたっちゃんに呼び止められて来なかった。




車に乗ってからアタシは戸惑いと気まずさ、痛い視線によって緊張してたから聖と離れてホッとした。


こっそり安堵のため息を吐いた。