桃色☆クローバー

体を支えきれないほどの重圧を感じながらも動けずに固まるアタシは聖から逃げたい気持ちでいっぱいになるけど足が体が動いてくれない。






柔らかな空気を纏ってアタシに声をかけてくれた聖。


そっと顔を覗き込んで心配そうにアタシを見つめた聖。


アタシの涙を暖かい手で拭ってくれた聖。


優しい光で出来た聖。


………アタシの手を掴んでグイグイ引っ張る聖。


無理矢理唇を奪った聖。


怖いほどの黒い微笑を浮かべる聖。


闇よりも黒く漆黒の瞳でアタシを嘲笑う聖。






いろんな聖が脳内を霞めては消えていく。




背中を伝う冷たい汗がより一層恐怖を駆り立てる。






アタシの肩を掴んで相対させるとゆっくり顔を近付ける聖に全く動けずにいる。






や、めて……

そんな、冷たい目で、

アタシを見ないで…

や、だ、、

こわい……



極度の緊張に耐え切れなくなったアタシは恐怖を飲み込んでしまいそうになって

ギュッッと目を瞑った。



…………






ッジリリリリリリ――――ッ



ハッ!!



静かな空間に響き渡るそれに驚いてパッと目を開けると
そこには
見慣れすぎたアタシの部屋が広がっていた。




まさか、


ゆめ?



周りを見回してもやっぱりアタシの部屋でいつもと何ら変わりない。






な、なんてリアリティー溢れる夢なの!?



落ち着かない心臓に戸惑いながら胸を撫で下ろすと自分が汗でびっしょり濡れているのに気付いた。

気持ち悪い…

シャワー浴びよう。




休日なのに時計のアラームをオフにし忘れる馬鹿な自分にいつもならイラつきながら壊れそうな勢いでアラームを止めるアタシだけど、今日はそんな自分を誉めてあげたいと思った。


鳴り響く目覚まし時計を静かにとめてお風呂にむかった。