桃色☆クローバー

アタシが困っているのを見ている先輩。


みんなはアタシ達のやりとりが聞こえないのか振れないようにしてるのか誰も話し掛けてこない。


麻紀としげくんは何やら楽しそうに話しているし…


もうこうなったら仕方ない。
お箸借りてこよう!

アタシはそう決めて席を立とうとした。

が、それは伸びてきた手によって遮られてしまった。

先輩は立ちかけたアタシの肩を押さえながら立ち上がると歩きだした。



アタシは茫然とその後ろ姿を見つめた。



アタシが呆けていると先輩はすぐに戻って来てアタシの前にお箸を置いた。

?

意味が分からないでいると先輩が呟く。

「それ未使用だから」

え…

まさか、お箸借りてきたの?

「…」

「ちゃんと食堂のだから」

無言でいると先輩は優しく呟く。

アタシは戸惑った。



先輩の予測不可能な行動に。


どうしたらいいのかわからなかった。


どう解釈すればいいのか分からなかった。


「早く食えよ。」


また呟く先輩。

アタシはそっと先輩を見ると先輩は優しい顔をしていた。

見ちゃいけないと思いながらも見てしまう瞳。

けれど今の先輩の瞳はさっきとは違っていて優しかった。

アタシは別の意味で目が反らせなくなった。

「見すぎ」

そう指摘されるまで。



先輩が持ってきてくれたお箸を取る。


「ありがとう」

小さく呟いて先輩が持ってきてくれたお箸でご飯を食べる。


ドキドキする。


なんで?どうして?


…わかんない。


原因不明の動機を押さえながらお弁当を完食した。



アタシがお礼を言ってから先輩は一言も話さなかった。

アタシも無言で食べた。

みんなが笑って話していたけど先輩とアタシは無言。

まるで別世界で違う空間にいるような異様な空気に包まれていた。


そして誰もアタシ達に触れる事無くお昼休みは終わりを告げた。